10/9 プッチーニの『ラ・ボエーム』@新国立劇場2025/10/10 15:12

秋の音楽会シーズン幕開けは二国で『ボエーム』を見てきました。スタッフ&キャスト、あらすじ、ダイジェスト映像などはこちら。舞台写真はここ。粟國淳演出の『ラ・ボエーム』は2003年の初演以来二国ですでに7回上演されており、今回は8回目だそうだ。おそらく二国での上演回数も一番だろうし、現在まで残っている(二国では新しいプロダクションができると、古いプロダクションは廃棄されます)最古の演出だろうと思います。ヴェリズモとは言えないかもしれませんが、リアリズムを追求した演出には好感が持てます。それに、これだけ回数を重ねると、相対的にチケットの値段が安くなるといった利点もあります。誰だってボヘミアンのシェアハウス、薄汚い屋根裏部屋を高い値段を払って覗き見しようって気にはならないでしょう。平日のマチネなのに、客席はほぼ満員。このプロダクションの人気のほどが窺えます。

開幕からプッチーニ節炸裂。いやあ、(開演前からビールをきこしめしたせいか)名旋律に酔いしれてこの上ない至福の時が流れていきます。ロドルフォの「なんと冷たい手」ではルチアーノ・ガンチがのっけから絶好調で、スピントでハイCを楽々歌い上げ、対するミミも「私の名はミミ」をしっとりと情感豊かに歌って、喝采を浴びておりました。演出の粟國淳がプログラムに書いているように、お針子のミミのほうが、詩人のロドルフォよりも言葉が巧み。情緒纏綿な歌心がしっくりと伝わってきました。ついでに、デブの椿姫があり得ないように、ミミも純情可憐な容姿じゃないと務まりませんね。マリーナ・コスタ=ジャクソンのミミはまさにはまり役でした。第2幕から登場するムゼッタの伊藤晴も、ムゼッタのワルツ「私が街を歩けば}をコケティッシュかつ華麗に歌い上げ、一場をさらってゆきました。その他、ボヘミアン仲間で画家のマルチェッロは、第3幕のムゼッタとのやり取りでなかなか芸達者な歌を披露。哲学者のコッリーネも第4幕の「さらば古い外套」で、哲学的な考察を交えながら質入れする外套へのオマージュをしみじみと聞かせてくれました。

第4幕、死の床に横たわるミミ。ボヘミアンたちは気を使って外に出てゆき、ドロルフォとミミだけが取り残されます。第1幕でロドルフォとミミが出会った際、ろうそくが消えてミミがうっかり部屋の鍵を落とてしまった場面。2人で探しますがなかなか見つからない。「あの時、すぐに鍵を見つけたんでしょ?」とミミ。「運命をちょっと後押ししただけさ」とロドルフォ。ここらへんの回想シーンは、ユーモアとペーソスがないまぜになって、美しかったなぁ。

4人のボヘミアン、2人の女性、いずれも粒ぞろいの歌声で、モーツァルトのようなアンサンブル・オペラじゃないのに、アンサンブルの妙味をたっぷり味わわせてくれました(「味あわせる」かな?)。オケは東フィルでしたが、舞台上の歌手にピッタリと寄り添って、イタリア演歌を堪能させてくれました。指揮者のパオロ・オルミも、やたらと情緒に流されずにしっかりと手綱を引きつつ、オケのバランスも絶妙に整えながら、舞台上の歌手にも十分に歌心を発揮させていました。最後に二国の合唱団。いつ聞いてもうまいね。年末恒例の「第九」でもあっちこっちのオケから引っ張りだこのようですねぇ。


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本日の最高気温24℃。ようやく秋めいてきました。振り返ってみると今年の夏はしみじみ長くて暑かった。秋のバラが咲き始めました。まだちんちくりんな夏の名残のバラ(庭の千草)みたいですが。

ブルー・ムーン


ラ・フランス


芝生の補修で、最後に種を蒔いたあたりも発芽してきました。




今日は曇りがちの天気。